すずまろ物語

③授乳

授乳Ⅰ

 「子猫にミルクをあげる量と頻度」、これを調べた時、「大変やぞ。これは・・・」と率直に感じました。生後10日くらいであれば、1日に4〜8回、5〜15ccずつの授乳が目安だったのです。しかも、しっかりと授乳しないと脱水症状を起こし、最悪の場合は死に至るケースもあると恐ろしいことも説明されていました。

 保護した子猫は衰弱しているのでしっかりとミルクをあげなければいけないだろうと仮定し、「1日8回授乳」することにしました。つまり、3時間置きに1回の授乳です。日中は良いとして、夜間が問題です。就寝前に授乳し、23時にベッドに入るとすれば、深夜2時、早朝5時に授乳が必要ということになります。「これは大変やぞ。交代制やな。。絶対起きろよ!」と妻と苦笑いしながら約束しました。

 それにしてもこの授乳頻度、そら母猫も寝そべって「いつでも母乳どうぞ」のドリンクバースタイルを取るわと感じました。更に母猫の場合、相手は1匹ではないですからね。「本当は生んでくれた母猫のお乳をもらいたかったろうな。母乳には母猫の免疫力が含まれるので子猫の体を守る力もあるし、母は偉大だな。」と子猫のことを憂いました。しかし、できることを全部やると誓ったところだったので、子猫にも「一緒に頑張ろうな!」と声をかけ気合いを入れたのでした。

授乳Ⅱ

 

 いよいよ、初授乳。哺乳瓶を親指と人差し指で固定し、掌に前足を乗せてあげて、哺乳瓶を咥えさせるのですが、全く飲もうとしませんでした。哺乳瓶を咥えもしなかったのです。

 仕方なく、スポイドで授乳することにしましたが、自分から口を開けることはありませんでした。指で顎を固定し、口を開けた瞬間にミルク注入するという手法を取るほかありませんでした。それも一気に口に含ませてしまうと喉を詰まらせてしまうため、ゆっくりゆっくりと授乳していく必要がありました。

 ミルクを口に含ませてあげるも、幼すぎて上手に飲み込めないため、ケフケフむせながら口や鼻からミルクが出てきてしまっていました。スポイドでミルク注入、顔周りを拭う、ミルク注入・・・の繰り返しです。たかが10cc、されど10cc・・・目の前にいる弱っている小さな子猫を前にすると気を遣いながらの授乳になるため、初めての授乳は1時間半程かかりました。

 スポイドでは効率が悪いので、注射器を買いに走りました。また、顔の骨折が原因なのか、右の鼻の穴が左に比べると狭くなっていました。時間が経つと鼻から出てきていたミルクが固まり、狭い鼻の穴を塞いでしまっていることに気付きました。ピンセットや爪楊枝を使って慎重に取り除き、しっかりと呼吸できるように様子を見てあげる必要もありました。

授乳Ⅲ

3時間置きに授乳する生活が始まりました。深夜2時や早朝5時の授乳時は、眠気眼を擦りながら子猫の部屋に入り、子猫はケージの中で横になっていたため、「え!?生きてる??」と毎度ハラハラするものでした。呼吸でお腹が動いていることを確認したり、触れた時に鳴き声をあげてくれたりすることで「良かった。生きてる。」と安堵する繰り返しでした。

 寝ているところを起こしての授乳、さらに上手に飲めないことから、授乳の度に顔がビチャビチャ、そしてケフケフむせるため、水責めをしているようで本当に可哀想でした。子猫も悲痛そうに鳴いていたので、「辛いな。でも飲まないと生きられへんねん。頑張ろうな。」と声をかけながらお互い頑張りました。

 こうして3時間置きに約1時間の授乳を数日続けました。ゴールデンウィーク中なので1日付きっきりで側に居れたため、保護したタイミングは本当に良かったと思います。猫風邪で炎症していた目も授乳の度に目薬を刺し、少しずつ治ってきていました。子猫もボク達も頑張り、授乳を続けましたが、思うように体重が増えないことや、排泄の量が少ないこと等、ボク達の不安が尽きることはなかなかありませんでした。

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