すずまろ物語

⑬すずとの夏の思い出

歯が生えてこない

 生後4ヶ月頃、すずは元気いっぱいでしっかり遊んで、ご飯ももりもり食べていました。しかし相変わらず、上の歯が生えてきませんでした。

 3時間置きに授乳をしていた時のことです。「ケフケフッ」と上手く飲めずに戻したミルクの中に、楕円を半分に切ったような形の白い固形物が出てきたことがありました。当時、カラスに襲われた影響で顔を骨折していたこともあり、妻とは「口の中の骨だったりして。。。」と推測しておりました。

 そのような出来事があったため、成長するにつれて、時には指を噛まれながらもすずの口の中を見るようにしていました。下の歯はしっかりと生えていたことに対し、上の歯は生えるどころかツルツルで生える兆しすらありませんでした。あの時、口から出てきた白い固形物は上の歯茎の骨だったのかもしれません。

 上の歯の無いすずはドライフードを食べ初めた時、しっかりと咀嚼できずにポロポロとこぼしながら食べていました。十分に食べられていないように見えたので、あまり咀嚼する必要が無くするため、すずに与えるドライフードはぬるま湯で10分程ふやかしてから出すことにしました。しかし、ただ出すだけでは食べず、あおが食べている方へ行ってしまうので、捕まえてお皿の前まで連れてきてスプーンで掬って食べさせていました。

 出勤の準備でバタバタしている朝は大変慌ただしく、すずへのご飯をあげる時間はなるべく作るようにしていましたが、どうしても作れなかった時は「ごめん!」と言ってウェットフードを与えていました。

 毎朝ことでしたが、電車の時間を気にして時計を見ながら、ふやかしたドライフードをすずに与えている時は「手のかかる子だなぁ。」と思いつつも、ガッガッっとしっかり食べてくれるので嬉しくもありました。

ペロっと出る舌・やっぱりあおが大好き

 上の歯が無い影響で噛み合せが良くないのか、すずはある時から、ペロッと舌を出していることが多くなりました。おそらく、下の歯から口蓋を庇っていたのだと思います。

 上の歯が無い弊害で可哀相にも思いましたが、走り回った後などにペロッと舌が出ていると楽しく遊んでいる犬と類似して見えたので可愛くもありました。生えてこないものは仕方が無いので、「チャームポイントやね〜」と言いながらすずの頭を撫でていました。相変わらず、撫でられるのは嫌いで攻撃をしかけてくるすずでした。

 

 あおには心を開いているようで、というかは好きの感情が強かったようにも思いますが、ずっとあおに付いて回っていました。前述しましたが、あおがご飯を食べていると、すずも頭を突っ込んで一緒の皿からご飯を食べようとしました。あおにとっては食べ辛くなるので迷惑な話です。温厚なあおも次第に「ウゥ〜。。」と唸り、すずに一撃食らわすか、何処かへ去っていくかしていました。

 あおが寛いているときも近づいて行きました。すずはボクや妻の上に座って眠り込むことはありましたが、一度だけ寛いでいるあおの上に乗ったことがありました。おんぶ状態です。さすがに、おんぶの時間は数秒程度であおが嫌がり、すずを振り払おうとしました。しかし、すずも振り払われまいと粘ります。最終的には「フシャァーーーッ!」とボク達人間もたじろぐ程の威嚇の声を出して、すずに怒りの一撃を食らわせたあおでした。

 さすがのすずも「怒りのあお」にはひるんで逃げていきました。何処に逃げたかなと思い、部屋を探すとキャットタワーのハンモックに隠れていました。舌をペロっと出している様子がバツが悪そうに見えたすずなのでした。

すずとの夏の思い出

 すずとの初めての夏はあっという間でした。イタズラばかりしていました。爪切りの際は妻の手をガブガブ噛みました。夏用の床マットを洗濯した時は、折りたたんだ床マットの中に隠れて出てきませんでした。早く洗いに出したいのになかなか出てきてくれなかったので手を焼きました。

 こはるとは相変わらず犬猿の仲でした。すずも体格が良くなってきていたため、こはるに攻撃を仕掛けるようになっていました。毛色がそっくりだったので組手をしているとどっちがどっちかわからなくなるのも微笑ましい光景でした。まだこはるの方が上手のようでした。

 ボクの大学時代の友人も遊びにきました。動物好きな友人だったため、三兄妹を大変可愛がってくれました。あおとこはるは人見知りをするので、最初はあまり近付きませんでした。しかし、すずは最初から「誰だこの人?」と言っているような怪訝な表情で友人の周りをグルグルと歩いていました。最終的に、あおとこはるはチャオちゅーるで懐柔されましたが、すずは友人の足を嗅ぐなどして、最後まで余所者扱いしていました。

 すずはボクや妻にも付いて回り、イタズラばかりしてきました。こちらも「憎たらしい奴め!」とか言いながら、ドライヤーで風をあてるなどしてすずに「イタズラ返し」をしていました。

 元気になり、体もしっかりとしてきた夏のすずはイタズラ盛りでよく怒ったものです。しかし、すずは何処か憎めないキャラクターであり、ボク達もよく怒りながらも笑っていました。2020年の夏はコロナでどんよりとしていましたが、家の中ではすずに笑顔にしてもらっていたことが良い思い出です。

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